君は「青写真」の語源となったサイアノタイプを知っているか!!!!

      2016/05/31

アイキャッチ

道修町Studio(どしょうまちスタジオ)の小柳です。

私の個展が近づいてきました。
今回はサイアノタイプという「青写真」の語源となった技法を使った作品を展示します。
そのサイアノタイプの制作手順を公開します!!!

と言っても最近では「青写真」って言葉、使わないかな。
くるりの曲で「青写真」あったよね。

 

サイアノタイプとは

フィルムを使う写真は銀塩写真と呼ばれる通り、銀の化学反応で像の濃淡を写していますが、このサイアノタイプは鉄塩の科学反応を利用しています。
黒の濃淡ではなく、青色の濃淡で像が現れるのがサイアノタイプの特徴です。
コピー機が発達するまで、機械や建築の図面の複写にこの鉄塩の化学反応が多様され、その青く複写された設定図を元に、住民説明会などのプレゼンテーションが行われていました。
そのことから転じて未来の計画などを示すことを「青写真」と呼ばれるようになりました。

 

サイアノタイプは古典技法と呼ばれています。

写真術が発明されたのは1939年とされています。その3年後の1842年、イギリスのジョン・ハーシェルさんによってサイアノタイプ技法は発明されました。

その技法を使い、植物学者で写真家のアンナ・アトキンスさんが海洋植物標本集を1843年に出版しています。

サイアノタイプは、像を得るまでの工程が簡単なこと、安全なこと、保存性に優れていることなどの利点があります。

写真の黎明期から続くやり方なので、サイアノタイプ技法は古典技法のひとつと呼ばれています。

 

Nigel Scott(ナイジェル・スコット)

サイアノタイプを用い作品を発表している写真家にナイジェル・スコットさんがいます。

彼は自ら紙や布に薬品をコーティングし、落ち葉やメガネなどのモチーフを載せて作品を制作しています。
このやり方を、フォトグラムといいます。

2012年に大阪で彼の写真展が開催され、作品を直に見ました。
サイアノの青に引き込まれました。
ナイジェル・スコットさんのWebサイトで作品を見ることが出来ます。
http://www.n4nigelscott.com/

 
雑誌「装苑」の過去記事に紹介されています。
http://fashionjp.net/soen/culture/news/nigelscott120614/
 

ハイブリッド写真???

ナイジェル・スコットさんのフォトグラムによる作品制作とは違い、私はデジタルカメラで写真を撮影し、製版などに使うフィルムに出力して、薬品をコーティングした紙と密着させて露光を行い、像を得ています。

ある写真の先生は、古典技法とデジタルの融合なのでハイブリッド写真やハイブリッド技法なんていい方をされています。

 

いよいよサイアノタイプの作成手順

サイアノタイプ技法によるプリントの作り方を公開します。
ここでは私が製作しているハイブリッド技法で説明します。
フォトグラムによる方法はいつかワークショップなどで解説したいですね。

1 薬品を作る

サイアノタイプに使う薬品は

  • くえん酸アンモニウム鉄(III)(緑色)
  • フェリシアン化カリウム

です。

 

くえん酸アンモニウム鉄(III)(緑色)

くえん酸アンモニウム鉄

くえん酸アンモニウム鉄

 

フェリシアン化カリウム

フェリシアン化カリウム

フェリシアン化カリウム

 

 

精製水 100gにつき、くえん酸アンモニウム鉄(III)(緑色) 20g

くえん酸アンモニウム鉄

 

精製水 100gにつき、フェリシアン化カリウム 10g

フェリシアン化カリウム

を溶解します。

それぞれの薬液ができたら、紙や布に塗布する前に混ぜます。

サイアノ液

 

2 塗布するよ。

紙や布に薬液を塗布します。

私は和紙に塗布しています。(ハケは100均のものを使っています。。。)

サイアノ液塗布

銀塩の印画紙のように真っ暗な部屋でなく、普通の明るさの部屋で作業して大丈夫です。

 

 

3 乾燥します。

塗布が終わったら、常温で乾燥します。

サイアノ液乾燥

真っ暗な部屋まで必要ないですが、薄暗い部屋での乾燥をおすすめします。

 

4 フィルムを作ります。

撮影した写真を、製版などに使うフィルムにインクジェットプリンタを使いプリントします。

サイアノネガプリント

 

5 露光します。

乾燥が終わった用紙とインクジェットプリンタで出力したフィルムを密着プリントします。

サイアノ液乾燥

サイアノ液密着

光源ですが、私は日焼けマシンを使います。
露光時間はテストした結果、10分が適正露光と判断しました。
使用する用紙や日焼けマシンのパワーによって適正な露光時間は変わってきますので、テストを何度か繰り返して決定してくださいね。

サイアノ液露光

 

夏の紫外線が豊富な季節なら、太陽光でも露光できます。

太陽光で露光

 

6 予備洗浄

水道水で、予備洗浄を行います。

 

サイアノ洗浄

サイアノの不要な薬液を落とすような感じです。

 

7 再発色

5リットルの水に塩素系漂白剤、20ミリリットル(キャップ1杯)を入れます。
そこに、予備洗浄が終わったプリントを浸します。

サイアノ洗浄

時間は約1分くらいです。

 

8 本洗浄

 

再発色が終われば、水道水で本洗浄を行います。

 

サイアノ洗浄

薬液が残っていると、数年でボロボロになるので10分以上、流水で洗浄します。

 

9 完成

本洗浄が終われば乾燥させます。

 

サイアノ乾燥

サイアノタイプは乾燥すると、像がやや明るくなるようです。

 

日光写真教室?

サイアノタイプは、手に入りやすい薬品と、製作時の取り扱いが簡単、太陽光で露光ができる、などなど小学生でも試せる技法です。

夏休みの自由研究のためのワークショップなんて楽しいいと思うのですが。。。

どこか協賛してくれないかな。
「親子で楽しむ日光写真」なんてね。

今日はここまで。

次は個展に向けて、どうプリントを見せるかを公開しちゃいます。

 

告知です。

はじめに書いた、個展のお知らせです。

「オリンパスギャラリー大阪」で私の個展が開催されます。

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小柳宣昭写真展「人工島」
出展作品数 サイアノタイプ 約40点
期間 2015年2月20日(金)~ 2月26日(木)
時間 午前10:00~午後6:00(最終日 午後3:00まで) 入場無料
休館 日曜・祝日

ぜひ来てくださいね。
では。

 

この記事を書いた人

こやなぎのぶあき
こやなぎのぶあき
写真撮影と動画制作の「道修町Studio」を運営。
また、写真作家としても活躍し、個展やグループ展に多数参加。
写真とカメラに詳しいのはもちろん、家電やPCにも詳しく、気軽に購入相談ができるので重宝がられている。

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